しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


………?


絨毯の上に落ちていたのは、生徒手帳だった。


紺色の生徒手帳を拾い上げて、踏んでしまった部分を叩く。


誰のだろう。と、開けてみると、


“佐藤 礼央奈”


と、名前が記入されていた。


……礼央奈。


「どうしたの?」


眉をひそめて生徒手帳を見ていると、日和がそれを覗き込んできた。


「ああ、レオくんのね。 さっき落したんだね、きっと」


礼央奈……。


「だから、“レオくん”なんだぁ!!!」


突然大声を上げた私に向かい、日和が眉をひそめた。


「そんなに驚くこと?」

「だって、今初めて名前知ったし」


私が言うと、日和はおかしそうにクスっと笑った。




礼央奈……。

綺麗な名前だなあ。レオくんにピッタリだ。



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