しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「おまえら!! 見て……んがっ…」
見てんじゃねー。
そう言ってしまう前に、私は慌てて先輩の口を両手でふさぐ。
先輩は、モゴモゴと声にならない声をあげている。
私の手から逃れた先輩は、眉間にしわを寄せて私を見下ろした。
「何してやがる」
「あ、いや、あの…」
「おまえの為にしてやったのに」
「あ、いや。 私は別に……」
ゴニョゴニョと口ごもると、『別に何だよ』と、さらに絡んできた。
「そんな事より、今からどこか行くんですよね?付き合いますよ」
状況が悪化しないうちにあからさまに話題を変え、先輩の腕を引いた。
もちろん。
周りの視線を避けるように、先輩の長身に隠れながら。