しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


「レオ……くん?」


徐々に夕日が沈んでいく中、そこに佇んでいたのはレオくんだった。


商店街のおしゃれな花屋の前。


外に並べられている色鮮やかな花を、じっと眺めていた。


私が呼んだ声は、レオくんには届かなかったのだろう。


もう一度レオくんの名前を呼びたかったけれど、私には、呼べなかった。


花を眺めるレオくんの表情が、とても哀しげだったから。


沈む夕日のせいで余計哀しく見えて。


私服姿のレオくんの横顔を見ているだけで、声がかけられなかった。





< 89 / 400 >

この作品をシェア

pagetop