しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「先輩…… 大丈夫ですか?」
ベッドに近づき声をかけると、私の声に反応して、布団の中でもぞっと動いた。
先輩の唸り声がこもって聞こえる。
「先輩。 あの、みかん持って来たんで」
「うーん。 サンキュ……」
「食べられるようになったら、食べてくださいね。この机の上に置いときますから」
私は、布団にくるまったままの先輩に言って、買ってきたみかんを部屋の中央にあるテーブルに置いた。
すると、突然布団の中から先輩の手が伸びてきて、私の手首を掴んだ。
びっくりして振り向くと。
熱でほてった真っ赤な顔が、少しだけ布団から出ていた。
「今、むいて」
声がガラガラだ。