シャーペンと君とあたし
「ぷっ!!」
たったシャーペン1本で、そこまで無邪気に喜んで笑える国分くんに、つい、吹き出した。
自己紹介のタイミングとかいきなりすぎだし!
「あれぇ〜??今吹き出すポイントあった〜?」
手で口許を隠すあたしの目線まで降りてきた、国分くん
彼への警戒心は、たった数秒間の見つめ合いで、逆にこう、スルリとほどけちゃったみたい。
「ううん!なんでもないよっ!!あたしは木下鈴乃!!よろしくね、国分くん!」
不思議そうに覗きこんでくる国分くんに、首と両手をフルフルと振って笑顔をみせた。
「鈴ちゃんなぁ〜!!俺のことは宏人でいいかんねー?…あっ!そうそうソイツは神田俊なっ!!」
もうすっかり心を許してしまった宏人くんが、会話の流れの中で、一連の、動作のように。
…まるで、あっちむいてホイでもするかのように、指を、動かすから
促すその先を、追いかけてしまった