シャーペンと君とあたし



確かにあたしと孝太は小学校からずっと一緒で、ずーっっとシャーペンを貸し続けてきた仲なんだけどさ??



「あたしと違うクラスだったら、ってこともあるじゃんっ!」



孝太の切れ長な瞳を見つめる視線に不満が表れちゃうのも、ふて腐れたよーな言い方になっちゃうのも、


他の誰かに、借りちゃうんだって知ってるから。


ぷぅ、っと少し、ホッペに空気が溜まってく。






そして、




「したら鈴乃んクラスに借りにいけばいーんじゃね?」


「……っ!!」



─…溜まった空気が、瞬時に抜けきった。



だって、嬉しすぎる!

わざわざあたしのクラスまで来てくれるってことだよね?!


なにそれなにそれ?!幸せすぎる…っ!!



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