ダウト-doubt-

次こそ、この次こそ。

そう思いながらも、言えないまま、実は、すでに三ヶ月も経っていた。

顔を合わせてしまうと、どうしても、決断が鈍る。

一緒にいると、このままでもいいんじゃないか、そう思ってしまう。

とはいえ、電話で終わらせてしまうのも、嫌だった。


本当に、このまま終わってもいいのだろうか。

あたしは、後悔しないだろうか。


会話が途切れると、悩んでしまう。

だからつい、無言になる。

「何か言いたい事でもある?」

そう問われると、余計に答えられなくなっていた。


そんなふうに、色々と自分に言い訳をして、結局は、手放したくなかっただけかもしれない。

普段は、辛いとか、淋しいとか、そんな事ばかりのくせに、ほんのわずか、傍にいられる時間が、幸せだったから。
< 10 / 15 >

この作品をシェア

pagetop