生徒会で、ヒミツの恋愛しちゃいました。
***



二学期明けの生徒会室は、忙しさを増していた。


…ある意味で。




「ねぇ瑞希。春流の正式な処分は、いつ決まるの?」



「学園長に掛け合ってみたけど、それが分かんねぇんだよな」



「無期停学ってのも表上の処分だし、今から奴らがどう動くかが予想付かないな」




二学期といえば、文化祭を筆頭に、生徒会役員選挙など、来紋学園の運命を司る行事がたくさん控えている。


だが、今のあたし達にはそんな仕事をしている場合では無いのだ。


瑞兄と紅羽先輩と由羽先輩が、小杉春流の処分を少しでも軽く出来ないか、と奮闘中なのだが、いい案は見付からない。


夏休みを返上して検討を重ねてきたけど、どれもイマイチという反応だ。




「このままだと春流、退学になっちゃうのかな…」



「そうだろうな。“学園内で恋愛してたら退学!”って、思いっきり公言してるからな」




長谷川兄妹がため息をつく中、あたしは窓に映る景色をボンヤリと眺めていた。




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