生徒会で、ヒミツの恋愛しちゃいました。



「俺、ちょっと気分転換に、外の空気を吸って来るわ」



「早めに帰っておいでよー」




由羽先輩を送り出す紅羽先輩の声をバックに、あたしは考えを張り巡らせていた。



―――一応、小杉春流を救う事が出来る絶対的な手段が、あたしの頭の中には浮かんではいる。


だけど、この方法を使ってはいけないのだ。


来紋学園生徒会や、瑞兄の信頼に関わってくるモノであるから。




「未愛ちゃん、お茶淹れようと思ってるんだけど、いる?」



「あたしやるんで大丈夫ですよ!」




紅羽先輩から声を掛けられ、あたしは現実世界に戻る。


ダメだダメだ。ここは生徒会室。気を抜いてたらすぐに見破られる。


そう心に言い聞かせ、備え付けの給湯室に向かおうとした時だった。




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