生徒会で、ヒミツの恋愛しちゃいました。



息が止まりそうになる。


周りの世界が全てモノクロに映り、風でなびく木々や葉は、まるでカメラの連射機能を働かせているように見える。


そしてこの声が、あたしの待ち望んでいたアイツの声に聞こえるのは、気のせいだろうか。


少し低くて、掠れていて、それでも気付きにくい優しさが含まれている。そんな声の持ち主は、きっと―――




「何でお前泣いてんの?目元涙でベトベトじゃん」



「―――こ、すぎッ…?」



「お前ってやたらと俺の前で泣くよな。瑞希の前でも泣いた事が無いクセに。何か罪悪感感じるわ」




“何で此処に居るの?”とか、“謹慎中じゃないの?”とか、聞きたい事はたくさんあるけど。




「ま、それが国友未愛ってヤツだったっけ?…今は黙って泣いとけ」




ゴメン。

今はこうして、泣かせて下さい。




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