生徒会で、ヒミツの恋愛しちゃいました。
流れるな、涙。
自らの瞳で、小杉春流の凛とした姿を捉えたいから。
「あと…今日俺が此処に来た事、誰にも言うなよ。もちろん瑞希達にもな」
「うん…」
「じゃ、俺はもう帰るな。いつまでも此処に居たら危ないから」
身体の向きを真反対に変え、少しずつあたしから遠ざかっていく。
夕日に包まれていく小杉春流の後ろ姿を見ながら、声を掛けようか掛けまいか、悩んでいた時だった。
「“また明日”な、国友未愛」
小杉春流が振り返り、あたしに手をヒラヒラと振っていた。勿論、視線はあたしの方を向いていて。
“また明日”なんて言葉、もう二度と言えないと思っていた。だから、笑顔で。
「“また明日”ね、小杉春流っ…!」
あたしも、言い返すの。
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