桜の見える丘(仮)

「…ッブッ」


急に横で笑いだす柏木君。


「ちょっ…!!何笑ってんの!?笑うとこじゃないじゃん!!!」


「いやぁ~、俊も可愛いもんだなぁと。2人は似てるよ。ほんと…おもしれぇ。」


ケタケタ笑う意味が未だに理解できない。


「んまぁ、俺の役目はここまでだな。あとは自分でがんばれよ!!」


役目って…何もしてなくない?


階段をタンタンと降りて行き、階段を降りきって何かを思い出したかのようにこちらを向いた。


「これ…言うなって言われたんだけど…」


なら言うなよ!と思いつつも、ん?と首をかしげてみる。


「美姫ちゃんのこと見つけたの…俊だから。んで、教室で美姫ちゃんをバカにした奴ら…シバいてたから。んまぁ、女だし殴ってはないけどな。もう、なんにも言わせねぇようにしてたわ。」


神谷が…そんなことを…?


あ…だから…あの時…――――――


誰の声かわからなかったけど、すごく安心したんだ…


神谷の声だったから…


「んま、俺はこれで。美姫ちゃんがさっき言った自分の気持ち。そのまま俊に言ってやれ!そして、怒鳴り合いの喧嘩でもしてこいよ~。自分の気持ち全部ぶつけてやれ!」


喧嘩って…。


ニカッと笑顔を見せてから、手をふってどこかに行ってしまった。
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