桜の見える丘(仮)

柏木君がいなくなってからは…周りも静かになり、すごく寂しく感じられた。


あぁ…帰らなきゃ…もう真っ暗だし。


あ…でも、ここどこだかわかんない…。


この学校やけに広いからなぁ…どうしよ…どうやってきたかわかんない。


どうしよ…また…迷子になりながらさがそっと…。


うす暗く、部活をしていた生徒ももうほとんど帰っている…


廊下の電気がやけに怖く感じられる。


「教室どこぉ…?」


「あれ?美姫ちゃん?」


後ろから優しく名前を呼ばれる。


少し涙目になりながら振り向く。


そこには…純君がいた。


「あれ?もしかして…迷子…的な?」


少し困った顔で笑いかけてくれる。


「うぇぇぇ…教室わかんないぃー…ここどこぉ…?」


その場にペタンと崩れ落ちる。
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