桜の見える丘(仮)
「!?」
あまりにも積極的になった…というか素直になった私に驚いたのか目を大きく開いてこちらを見た。
「私には…神谷しかいない。神谷じゃないとやなんだ…。他の男なんて目に入んない。神谷しか…見えてないんだよ?」
こんな恥ずかしいこと…一生言ってやんない。
でも…言わないと伝わらないんだ…。
だから…今日だけ…今日だけ素直になろう。
「前沢…。」
「ヤダ。美姫って呼んで?」
今までずっと思ってたこと。
「なんだよ…素直すぎて気持ち悪ぃー…。」
神谷は私の方を見るのをやめ、また葵達の方を見る。
そして…ゆっくり口を開いた。
「あのさ…俺も言っとくけど…あんなに触れられてんな。ベタベタ美姫に触りやがって…。触れていいのは俺だけだっつーの。…って何言ってんだ…?俺…。」
恥ずー…、と片手で自分の顔を覆う。
神谷…やきもちじゃん!!!
嫉妬じゃああああん!!
「神谷ー、嫉妬してんだ?」
ニヤニヤしながらたずねる。
「あぁ?うっせーな。悪ぃーかよ。」
「悪くないよ~?うれしいだけぇー!」