桜の見える丘(仮)

「あ…葵ちゃん…?」


嗚咽でなかなかしゃべらない私を心配に思ったのか、不安そうに覗き込む。


「…き…なの…。」


「え…?」


「もう…我慢できない……。」


もう…この勢いで言っちゃえ…。


「え…なにが…。あ!もしかして…俺に対しての怒り…とか?」


「違う。もう、気持ちを抑えられないの!!!」


「気持ち…?」


「私…柏木が好きなのっ!!!好きなんだよぉ…。」


器から漏れ出してしまった気持ちは…もう止まることを忘れ…あふれ続けた。


「…………。」


柏木は何も言わない。


きっと…迷惑だったんだろうな。


こんなやつに告白されたって…困るだけだ。


真美の方が…いいんだ…きっと。


美姫…言ったでしょ?『恋はいいものだよ。』って。


私は…恵まれてないんだよ。


幸せになっちゃいけない人間だったんだよ…。


ハァー…勢いで告白なんてするんじゃなかった。


きっと…気まずくなってこれからふつーに話すことも出来なくなっちゃうんだろうな…。


……ハハハ。


って…えっ…?
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