桜の見える丘(仮)


ぐいっと腕を引っ張られて…柏木の筋肉でたくましくなった胸板が私の頬に当たった。


え…えっえっ…!?


これって…抱きしめられてる…!?


「ちょっ…何して…。」


出来る限りの力で柏木の体を押すも…力に勝てるはずもなく…抱きしめられたままだ。


「あのさ…なんで先に言っちゃうわけ?言おうと思ってたのに…俺としてのプライドが…。」


先に…?なにを言ったって言うの…?


プライドが許さないようなこと…私が先に言っちゃったの!?


「え…私…何言ったの…?」


つい…聞いてしまった。


「え!?自分で言っといて…覚えてないってなんだそれ!!もぉ…なら言わないでいてくれてたらよかったのに…。」


なんか…訳がわからないまま柏木の中では話が進み…置いて行かれてる私。


なのに…勝手に怒られ、勝手に落ち込まれても…。


「あのー…、話しについていけてないんですけど…?」


「時間あげるからゆっくり考えて。ってか、なんで今こんな状態になってるかを思い出して考えたらいいんじゃない?」


ほう…今の状態……あっ!!!


だっだっだだだだ抱きしめられてるんだった…。


この状態になる前…私が言ったことって……。


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