桜の見える丘(仮)
「告…白…?」
「そーゆーこと。」
「どーゆーこと?」
あ…また聞いちゃった…。
即行だった私の質問に驚いたあと…大きくため息をついた。
「ハァァー…。もう、葵ちゃん…鈍感っぽいから言っとくわ。」
ギュッ…と抱きしめる力が強まった。
不自然な格好だったけど…がんばって柏木の顔を見ようとして上を向いていたのに…抱きしめる力が強まったせいで…私の頬はまた柏木の胸板につぶされる形に。
「俺……葵ちゃんが好きだ――――――」
――――――――――えっ…?
「本当に…?」
乗り越えようと思った壁…。
でも…やっぱり不安は残ってるんだよ…。
もしかしたら…嘘かもしれない…。
同情なのかもしれない。
昔の恋の話しなんて…したことないのにね。
怖かった…。
もう…傷つきたくなかったから。
「嘘ついてどうするの…。正直…一目ぼれだったんだけど…。」