桜の見える丘(仮)
嬉し涙を流しながら話した葵。
前に先輩のことを話してくれた時の涙とは違って…とても幸せそうに話す姿を見て…私もつられて涙を流した。
「もうね…恋なんてしないって思ってたけど…。やっぱ、恋しちゃうもんだね!!私、柏木のこと…好きになってよかった!!」
満面の笑みを私に見せる。
あぁ…恋の神様。
葵にあんなに辛い試練を与えたのは…柏木と幸せな恋をするためだったんですか…?
どうか…そう思わせて下さい…。
だから…葵のことを…もっと、もっと幸せにしてあげて!柏木。
「だから、うーんっと!甘えてやるんだ!!柏木が、もうやめて!って言うぐらいまで!!」
ニシシと笑いながら…なんて楽しそうなんだ。
そうだな…。
私も…今日まで…とは行かないけど…。
少しぐらいは、素直になるかなぁ…。
「葵ってまさかの甘えっ子!?もー!可愛いんだからっ!」
「えー?そんなの、柏木だからすることだし。お姉ちゃんは辛いんですー。家でも学校でも妹を世話しなきゃだし…。」
とか言いながら私の方をチラッっと見る。
学校でも…?
って…「それって私の世話が大変って言いたいの!?!?」
「だれも美姫だとは言ってないじゃん!」