先生との恋☆Second・Story☆完結☆
「ううん、何もないよ」
「じゃぁ、その時で良い?」
「うん。大丈夫」
大学ね…
すっかり忘れていた。
そういえば公式のオープンキャンパスじゃなくて有岡君が案内してくれるって言ってたもんね。
それを思い出したと同時に思い出す。
これがきっかけで高橋とケンカをしたことも。
「いろんなところ見せたいんだけど広いからな―――、」
あたしが余計なことに興味を持ったから、あぁなってしまったんだよね。
引き金になって、思ってたこと聞けずにいたことが耐えきれなくなったかのように次々と出てきて。
それが無かったら――――、
「…おかもと?聞いてる?」
「えっ、」
「大丈夫?疲れてるんじゃない?」
視線を上げれば、心配そうにあたしを覗き込む有岡君。
「あ、ごめん。どこ見せて貰おうかなって考えてた」
咄嗟にへらって笑うと、安心したように笑って続きを話してくれる。
せっかくだもん。見学だけはさせて貰おう。
そこで、大学生気分を味わったら、終わり。もう大学についての話題には触れないようにしよう――――。
……大丈夫だよね?きっと。