先生との恋☆Second・Story☆完結☆
行って欲しくない、けど、行って欲しい。
高橋の中のジレンマ。
それをしっかりと”言葉”にして
伝えてくれる高橋の気持ちが真っ直ぐあたしに向かってくる。
それを感じるたびに、あたしは涙が零れていく。
それを高橋は優しくゆっくりと拭ってくれる。
「僕だって不安だよ。だってこれから外の世界はいっぱいいろんな出会いがあるから。
病院とは違って毎日違う刺激を心は受ける。
僕無しで生きていけるんじゃないかって。僕がいつ捨てられるんだろうって心配になるときもあるんだよ」
「っつ…バカじゃないのっ…?」
あたしが高橋を捨てるなんて。
そんなことするはずがない。
今だって。こんなに。そう言う高橋を”愛しい”と思うのに。
「…不謹慎だけど、あのままずっと病院に入院してくれてた方が僕は安心だったかもしれないと思うときがある。それくらい、心しか見えてないんだよ…」
馬鹿だよね―――
そういってふんわりと笑う高橋が歪んで見える。
「でも、家に帰って心がいて
「ただいま」って言ってくれると、それだけで入院していた時なんかよりももっともっと幸せなんだ。
…僕は…もちろん不安や心配になるけれど、心を信じてる。離れててもきっとお互いの好きって気持ちの方が勝つと思ってたんだけど…
心は違う?
それじゃ、だめ?」
離れてても。