貴公子と偽りの恋
私はピンクの携帯を取り出し、お母さんの携帯に電話を掛けた。

「もしもし、お母さん? 私…」

『優子? どうしたの?』

「あのね、いま駅前にいるんだけど、お弁当箱とお箸って、どこに売ってるか知ってる?」

『あなた、なくしたの?』

「ううん、そうじゃなくて…」

『ああ、そういう事ね。だったら一緒に買いに行きましょう? どうせおかずも買うんでしょ?』

「そういう事って、まだ私何も言ってない…」

『いいから、早く帰って来なさい。車に気をつけるのよ』

「うん、分かった」


香山君のお弁当箱を買うって、お母さん分かったのかなあ。

あ、『おかずを買う』って言ってたよね。という事は、丸分かりじゃない…!

お母さんって、どうしてそんなに勘がいいんだろう…
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