貴公子と偽りの恋
「飲み物はいつも俺が用意するよ」

「そんなの、悪いよ…」

「優子は弁当作ってくれてんだから、それくらいはさせてくれよ。な?」

「うん。じゃあ、遠慮なく…」



私達は日が当たらない場所の、草の上に並んで座った。お姉さん座りとお兄さん座り。

座る時、今日も香山君は私が座る場所にハンカチを敷いてくれて、慌ててハンカチを出そうとする私を止めて、香山君は直に…


手提げ袋から青のバンダナで包んだ弁当箱を出し、香山君に渡した。

私はピンクのバンダナで包んだお弁当箱を出し、二人でほぼ同時に包みを解いた。

「へえー、お揃いなんだな?」

香山君は、蓋が水色の自分のお弁当箱と、形は同じで色がピンクの私のお弁当箱を見比べながら言った。
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