貴公子と偽りの恋
「図々しいですよね?」

「いや、いいんじゃない? お、美味そう!」

香山君は蓋を開けると、すぐにそう言ってくれた。

「豪華じゃなくて、ごめんなさい…」

「そうか? 俺には充分豪華に見えるぞ。これ、本当に優子が作ったのか?」

「うん。お母さんに教わりながらだけど…」

「そっか、緊張するなあ」

「どうして?」

「俺、胃腸があまり丈夫じゃないから」

「え、ひっどーい」

「あはは、冗談だよ。おまえ、膨れた顔も、アレだな」

「アレって?」

「いや、何て言うか…何でもない」

「はっきり言ってください」

「まあいいから、早く食べようぜ?」

『アレ』ってなんだろう。ぶさいく、かな?

まあ、いいや。
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