貴公子と偽りの恋
いつのまにか背は私を遥かに超え、私の事を『優子』と呼び捨てするようになった。
最初の頃は『お姉さんと呼びなさい』と文句を言ったけど、言っても聞かないので最近は諦めている。
「なあ。短冊に何か願い事書いたか?」
「もちろん書いたよ」
そのために来たんだから。
今年は黄色い短冊に願いを書いた。
ちなみに去年は水色の短冊に書いた。一昨年はピンク。
叶わなかった色と同じでは嫌だから、毎年色を変えている。
「今年は何て書いた?」
「そんな事、紳一に言うわけないでしょ?」
「去年と同じ事書いたんじゃねえの?」
「そ、それは…」
去年とだけじゃない。一昨年も同じ願いを書いた。
『貴公子と友達になれますように』
最初の頃は『お姉さんと呼びなさい』と文句を言ったけど、言っても聞かないので最近は諦めている。
「なあ。短冊に何か願い事書いたか?」
「もちろん書いたよ」
そのために来たんだから。
今年は黄色い短冊に願いを書いた。
ちなみに去年は水色の短冊に書いた。一昨年はピンク。
叶わなかった色と同じでは嫌だから、毎年色を変えている。
「今年は何て書いた?」
「そんな事、紳一に言うわけないでしょ?」
「去年と同じ事書いたんじゃねえの?」
「そ、それは…」
去年とだけじゃない。一昨年も同じ願いを書いた。
『貴公子と友達になれますように』