愛ガ降る
後ろから見る大概くんの背中が、急に愛おしく思え、あたしは思わず大概くんに問いかけた。
「あたしで…いいの…?」
やっと声になったあたしのその言葉に、大概くんは歩いていた足を止め、振り返った。
「俺には、あずしか考えられない!」
そう言って大概くんはあたしを安心させるかのように、ぎゅっと手を握りしめてくれた。
生まれて初めて繋いだ男の人の手は、想像していたよりもずっと大きくと、あたしの手をすっぽりと包み込んでくれた。
大概くんの手から伝わる温もりは、まるで全ての事から守られているような安心感を感じさせてくれた。
あたしの手からは、高まった心臓の振動が大概くんの手に伝わっていたに違いない。
あたしは本気で幸せだなと思える時間を過ごしていた。