好きとは言えなくて…
私は一度ため息をついて斉藤君を見た。


急にため息が聞こえたからか斉藤君はビクリと肩を震わせた。


そんな驚かなくてもいいのに。


「斉藤君。そう言ってくれるのはありがたいんだけど、私は貴方を何も知らない
そんな人とは付き合えないよ」


私は斉藤君にゆっくりとそう伝えた。


私の断りの言葉に斉藤君は反応しないでただその場に立ち尽くす。


わかってくれたのかな?


そう思って私はその場に立ち去ることにした。


いつまでもここにいる訳にもいけないし、私が居たら迷惑だよね。


「それじゃあ私は行くね」


斉藤君にそう伝えて足を前に運ぼうとした、そんな時。


「最上さん。待って下さい!」


斉藤君に呼び止められた。




< 15 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop