好きとは言えなくて…
斉藤君と別れた後、私は再びベンチへと座ってぼーっとしていた。


「由衣子ちゃんはモテモテですね♪」


人がぼーっとしてるのに頭上から声がかかる。


「全然モテませんよ。それよりも私のこと放って先行っちゃうって酷くない?」


私は頭を上げながら頬を膨らませて私に声をかけた人物に文句を言った。


その人物は私が座るベンチの前に来て私の隣に座った。


「何、言ってんですか。あたしは由衣達に気を遣っただけですよ」


私の頭上からの声は予想してた通り菜美だったようで菜美はケラケラと笑った。


もう。人の気も知らないで。




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