僕は君の罪になりたい
すると何を思ったのか


成宮くんは自分の口に解熱剤と水を含むと、私の顎を掴んだ。



そしてそのまま口づけられる。




「…んっ」




成宮くんの口から流れ込んでくる水と薬の錠剤。


口から溢れて頬に流れ落ちていく水が、凄くいやらしく想えた。




ただでさえ熱で熱い体が

成宮くんのせいで更に熱くなる。





「飲めた?」




ゴクン、と喉を鳴らすと

成宮くんはホッとしたように微笑んだ。





「みーちゃん…」


「…んっ!」




成宮くんは私の両手に両手を絡めると、再びキスをしてきた。


長くて深いキス。



息苦しくなって顔を背けようとすると、更に深く口づけられる。




「はぁっ…苦しっ…」




やっと口を離してもらえたと思ったら再び口を塞いでくる成宮くん。





「熱なんて1回セックスすりゃ治るよ」


「んなワケ…ないでしょ」



私の言葉なんか聞かず、成宮くんは服のボタンを外していく。


しかも器用に片手で。




こういうの、慣れてるんだな。


何かムカつく…。






「やめ…なさい」




ボタンを外し終えて私の上着を脱がそうとする成宮くんの手を止めた。




「優しくするから大丈夫」

「そういう…問題じゃない」




体を反転させようとすると、強い力で腕を引っ張られそれを阻まれた。




「美羽、好きだよ」




ドクンと音を立てる胸。




こういう時に呼び捨てなんて

狡いよ…。
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