きみのとなり


放課後になって、私と鈴木君は当たり前のように二人で学校を出た。




今までは梢と帰っていたけど、梢は「二人で帰りな!」なんて言って


そそくさと一人で帰って行った。





「寒くなったなぁー!」



鈴木君はブレザーのポケットに手を入れてはにかんだ。




「夏は暑かったのにね。秋になって急に寒くなったよね」



私は鈴木君に微笑み返した。




「……季節が巡るのが早すぎて、付いていけない…」



私はポツリと呟いた。




季節は巡るのが早い。



だけど私は…




「私は…」



「上原…」



「…あ…ごめん、ははっ…」



私は力無く笑って俯いた。




「何か、元気ない…」




「……大丈夫だよ…」




「嘘だ」




「大丈夫…」




「大丈夫じゃないよ。上原…」



「平気だから」




「上原……泣いてんのに?」



「っ…」




私はゴシゴシと顔を擦った。



何で泣いちゃうんだろ。



私…





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