きみのとなり


「上原……」



鈴木君が心配そうに私を見つめる。




「っ…ごめんね!何でもないよ!あはは!!気にしないで!」


私は涙が出てくるのを止めて鈴木君に微笑んだ。



「ほら!帰ろ!」



まだ心配そうにしている鈴木君の肩をバシッと叩いて、私は歩きだした。




大丈夫。



笑える。



大丈夫だよ…




「上原」



パシッと手首を掴まれた。




「っ…!」



そして一瞬のうちに、鈴木君の胸に抱き寄せられた。




「…鈴木君?」



「……俺…上原が好きだよ。どうしようもなく好き」




改めて“好き”なんて言われると、なんだか照れ臭くて



私は鈴木君の腕の中で顔を赤らめた。




「…俺じゃ、ダメ?」



「……」



「石川先輩の代わりになれない?」



“代わり”ーー



鈴木君の気持ちが痛いくらいに伝わってくる。



拓ちゃんの代わりなんて酷い言葉、鈴木君に言わせてるのは私…



「上原…泣いてるのって…俺のせい?」



「……」



違う…



違うよ…鈴木君…






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