きみのとなり


「……ちがっ…」



「…上原?」




違う。



違うの…




「わ!上原!!ごめん!!泣かせた!まじごめん!」



「違…」



せっかく頑張って泣き止んだのに、また涙が溢れた。




でも、鈴木君のせいじゃないよ。



さっき泣いたのも



今、泣いてるのも……





「ごめん、上原…あぁ…どーしよ…俺、最低…」



鈴木君は泣いてる私に「体育で使ったから汗くさいけど」と言ってタオルを貸しながら頭を抱えた。




私は呼吸を整えて、落ち込んでいる鈴木君の制服の裾を掴んだ。



「…違うの……」



そして、鈴木君の貸してくれたタオルで涙を拭きながら呟いた。




「違うんだよ。鈴木君のせいじゃない」



「え?」



「…私……鈴木君の彼女になったのに、拓ちゃんのこと…考えちゃ…」



ダメ。また涙が…




「…っ…そんな自分がうざくて、鈴木君はこんな私を好きでいてくれるのに、私は…」



私は……




「中途半端で……」






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