きみのとなり
よくないよ…
斗真君が王子様なんて……
かっこよすぎる…!
想像するだけでドキドキしちゃうのに、衣装合わせとかしたら私ヤバいよー!!
「おーい。そこのバカ一人~」
一人で熱を持った顔を手で抑えながら悶絶していたら、梢台本で私の頭をパシッと叩いた。
「未来ちゃん読み合わせするけど、おけい?」
優子ちゃんがふふふっと笑った。
「あ、ごめんなさい。大丈夫で~す」
私はコホンと一つ咳ばらいをしてペラペラと台本をめくった。
「どこから?」
「はじめの方はみんな覚えてきたから、シンデレラの“ああ、私も”から。とりあえず、動きとか説明したいから未来ちゃんだけ読んでみて」
「了解」
私はまた、コホンと咳ばらいをしてセリフに目をやった。
「……ああ、私も綺麗なドレスを着て舞踏会に行ってみたい… おいしい物をお腹いっぱい食べてみたい… 誰か願いを叶えてはくれないかしら…」