きみのとなり
「未来?」
トントンと優しく布団を叩いてお母さんが私を起こした。
「熱は…まだ下がらないわね。お粥とポカリ、持って来たから、お粥食べれる?お昼に起こしても起きなかったら。今になっちゃったけど」
お母さんは机にお粥とコップに入ったポカリを置いて私のおでこから首と、ぺたぺたと触った。
「困ったわね。明日じゃなくてどこか病院行くべきだったわ」
「…ハァ…ねぇお母さん…」
「うーん?」
「…誰か、うちに来た?」
「ああ…」
お母さんは私の熱さまシートを張り替えながら言った。
「お昼頃かしら?拓海君がねー、未来にどうぞってポカリとか林檎とかたくさん持ってきてくれたのよ」
「え?拓ちゃん?」
何で?
…ていうか学校じゃないの?
「今日は創立記念日らしくてお休みだそうよ。ほら、早く食べなさい。冷めちゃうでしょ。食べたらそのままでいいからね」
お母さんは私に布団をかけて部屋を出て行った。