恋形

次郎は続ける

次郎「それは、もちろん!
もちろん付き合った初めの頃は不安を感じていました
嫉妬したり、毎日逢いたいと思ったり、趣味に興じる時間ですら一緒にいてほしい、私が生きる日常のあらゆる全てに彼女にそばに居てほしいと」

羽流「もちろん!
ぼくも、そう思います」

次郎は羽流をみて薄く笑って
また地面をみた

次郎「それから、いくつかの年月が流れて馴れ合いになり、隣にいるのが当たり前になってきたんです
その時私の心の中にあったのは」

羽流が続ける

羽流「根拠のない安心感!」

次郎は羽流の言葉にうなずいた

次郎「当たり前な事など、この世のなかにないってわかってはいたんですけどね……彼女が隣にいるのが当たり前、毎日逢わなくても続いていける、

毎日逢いたいとは思えなくなる
なのに一人の時間を大切にしたいと思えてくる
付き合いたての頃の感情は次第に消えていったんです」

羽流は考え込んでいた
そして一つの質問をする

羽流「それは……それは自我ですか??」

次郎「自我と言うとなにか違う感じがしますが
ある種似ているところがあるのかもしれませんね」
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