恋形

羽流「冷えきっていったって……じゃあ別れてしまったんですか?」

次郎は薄く笑い答える

次郎「いいえ。彼女は本当にすばらしい女性でした
長い年月を重ねて伝えることをしなくなった
私を、それでも愛してくれたんです
彼女は私に伝えることを教えてくれました
愛とは伝えることだと」

羽流「愛とは伝えること……」

次郎「えぇ。それから私は変わりました。
出会ったころのように
彼女を想い
彼女を愛そうと」

羽流は次郎を見つめている

次郎は幸せそうな表情でつづける

次郎「それからの私たちは、幸せそのものでした
私は彼女を愛し
彼女もまた私を」

羽流「今でも?」

羽流の質問に次郎は笑って答えるだけだった
羽流にひとつだけ疑問が浮かんだ

羽流「じゃあ……じゃあ何故……なぜ今タイムカプセルをさがしているんですか?」

次郎は地面を見つめながら静かに答えた

次郎「幸せに………彼女に幸せになってもらいたくて…」

次郎の答えを聞いた羽流は座っていたベンチから立ち上がり
言った

羽流「いいですね!!幸せに!!!彼女をもっと幸せにしましょう!!ぼくも一緒に探します!!」

地面を見ていた次郎は立ち上がっている羽流に向かって答えた

次郎「ありがとうございます」
< 94 / 133 >

この作品をシェア

pagetop