エンドレスワールド
2
なんか今日は一段と疲れた気がする…
フーっとため息をつきながら幸音は自転車を押して帰路を辿って行く。
幸音の通う高校は丘の上にあり、また幸音の家もそういった場所にある。
基本的に山を切り崩して作られた土地なため、坂や丘が目立つ。
しかしお陰で自然も充実しているし、高地からの景色は目に物を言うほど。
空が青から朱、黒に変わる様を一望出来る。
幸音は立ち止まると、携帯電話を取り出して美しい空へと向ける。
今はちょうど夕暮れ。
空はまるで恋する乙女の頬のように赤く彩り、幸音の心を踊らせた。
「うん。今日も綺麗だ。」