亡國の孤城Ⅲ ~バリアン・紲の戦~
意味深なリイザの言葉に、ケインツェルは一際大きく肩を震わせた。含み笑いを交えながら、頭に響くその声でウルガに囁いてくる。
「………一言で言いますと…間者、ですよ…フフフ!」
「…間者だと?」
「ええ、そうです。…現在、三槍に…フフッ…ちょっとしたスパイを送り込んでいたりとか…!…まぁ、それが誰かとは口が裂けても言えませんけれど!」
間者…スパイを敵方に既に送り込んでいるとケインツェルは面白そうに言う。なるほど、確かに間者は味方側からでも極力その存在を知られてはならない。極秘とはそういう点なのだろう。
そのスパイが一体何人で、いつから行われていて、そして何者が動いているのか…その一切が謎だ。
スパイでどれほどの効果が得られるのか分からないが…こればかりは武力行使とは違い待つしかない。
「…ケインツェル…貴様のやる事に口出しをするつもりは無いが………それはとにかく、順調に進んでいるのか…?」
見えない謀りというのはどうにも気持ちが悪くて仕方無い。せめてその諜報が上手くいっているのかだけでも知っておきたいものだが…当のケインツェルはと言うと、何故か笑顔で首を傾げてきた。その仕草がとてもイラッとする。
「勿論上々ですとも!……と、言いたいのは山々なのですがねぇ………実は近頃、その間者から報せが途絶えておりましてねぇ!予想外!でも楽しい!…まぁ間者の性格を考えますと、何処かで油を売っているだけだと思いますが……まぁその内報せが来るでしょうよ!」
「………その貴様の楽観は何処からまき散らしているんだ…」
ウルガは呆れ顔で深く溜め息を吐いた。
ケインツェルが送り込んだその間者とやらが行方を眩ませたり、もしくは 寝返ってでもされたら立場は一気に逆転してしまうというのに…。
計画的な様で無造作にも思える諜報に不安を覚えるウルガだったが、リイザはそうは思っていないようだ。
これといって反応を見せる訳でもなく、頬杖を突いたまま静かに笑みを零した。
「こいつの事だ…なるようになる」
(………)
「………一言で言いますと…間者、ですよ…フフフ!」
「…間者だと?」
「ええ、そうです。…現在、三槍に…フフッ…ちょっとしたスパイを送り込んでいたりとか…!…まぁ、それが誰かとは口が裂けても言えませんけれど!」
間者…スパイを敵方に既に送り込んでいるとケインツェルは面白そうに言う。なるほど、確かに間者は味方側からでも極力その存在を知られてはならない。極秘とはそういう点なのだろう。
そのスパイが一体何人で、いつから行われていて、そして何者が動いているのか…その一切が謎だ。
スパイでどれほどの効果が得られるのか分からないが…こればかりは武力行使とは違い待つしかない。
「…ケインツェル…貴様のやる事に口出しをするつもりは無いが………それはとにかく、順調に進んでいるのか…?」
見えない謀りというのはどうにも気持ちが悪くて仕方無い。せめてその諜報が上手くいっているのかだけでも知っておきたいものだが…当のケインツェルはと言うと、何故か笑顔で首を傾げてきた。その仕草がとてもイラッとする。
「勿論上々ですとも!……と、言いたいのは山々なのですがねぇ………実は近頃、その間者から報せが途絶えておりましてねぇ!予想外!でも楽しい!…まぁ間者の性格を考えますと、何処かで油を売っているだけだと思いますが……まぁその内報せが来るでしょうよ!」
「………その貴様の楽観は何処からまき散らしているんだ…」
ウルガは呆れ顔で深く溜め息を吐いた。
ケインツェルが送り込んだその間者とやらが行方を眩ませたり、もしくは 寝返ってでもされたら立場は一気に逆転してしまうというのに…。
計画的な様で無造作にも思える諜報に不安を覚えるウルガだったが、リイザはそうは思っていないようだ。
これといって反応を見せる訳でもなく、頬杖を突いたまま静かに笑みを零した。
「こいつの事だ…なるようになる」
(………)