生涯愛した人へ
「孝一ね……
今日学校終わってから事故にあったみたいなの。
普通にいつもの道を歩いてると飲酒運転の車が突っ込んできたみたいで……
逃げ場が無かったみたい。
でも孝一が倒れても絶対に手放さなかった物があるのよ。
これ……」
そう言っておばさんは私に小さな箱を渡した。
キレイに包装されててでも少し孝ちゃんの血みたいな赤っぽいものがついていた。
「開けていいですか?」
「えぇ。」
私は少しずつ包装をはがしていった。
そしてそっとふたを開けると……
「これ……指輪……」
「そうよ。
きっと帰りに買って帰ろうとしたのね……。」
「あれ…?
内側なんか書いてある……
"Miku&Kouichi"
孝ちゃん……
これ記念日にくれようとしたんだ……。」
そう気づいた瞬間私の頬に冷たい涙が伝っていた…。
あの時私がムリにでも一緒に帰ってたら孝ちゃんは事故にあわなかったのかもしれない。
私が孝ちゃんを事故にあわせてしまった。
私が……………
ピピピピピッ
急に激しい音が病室中に鳴り響いた。
これが止まると孝ちゃんは死んでしまう………
孝一の母は泣き崩れていた。