飛べない鳥
雅也にまた新しいカノジョができたと知り
焦っているのかもしれない。
『出会い系なんてやめたほうがいいよ』
『いーよ、べつに遊んでいるだけだから』
飛鳥は自分のルックスを使って男をたぶらかすようになった。
その時から彼女は言っていた。
『愛なんて本当は存在しないんだよ。
純愛なんてただの幻想だ』
吐き捨てるように悟る飛鳥。
僕は知っていた。
彼女は誰よりも一番
愛を求めていた。
愛を信じたかった。
電話の向こうの彼女は泣いていた。
『もぅ…やだ…』