~幕末恋華~
「知らないわよ龍馬の居場所なんて!」
「嘘をつくなっ!」
―ギリッ!
以蔵君はあたしの両手首をキツく握り締める。
「痛っ…!本当に知らないんだってばっ!」
以蔵君ってば、一体何を考えてるの…!?
「…ちっ。使えない女だ。」
舌打ちをし、以蔵君はあたしから視線を外す。
そしてそれと同時に手首を掴む力が弱まった。
―逃げられる…!
そう思ったあたしは一刻も早く逃げるのに必死で、以蔵君の視線の先になんて気が付かなかったんだ――。