~幕末恋華~


「知らないわよ龍馬の居場所なんて!」

「嘘をつくなっ!」


―ギリッ!


以蔵君はあたしの両手首をキツく握り締める。


「痛っ…!本当に知らないんだってばっ!」


以蔵君ってば、一体何を考えてるの…!?


「…ちっ。使えない女だ。」


舌打ちをし、以蔵君はあたしから視線を外す。

そしてそれと同時に手首を掴む力が弱まった。


―逃げられる…!


そう思ったあたしは一刻も早く逃げるのに必死で、以蔵君の視線の先になんて気が付かなかったんだ――。

< 67 / 88 >

この作品をシェア

pagetop