こんぺいとう
この瞬間に、神様は遊び始めたんだ。
あたしとあなたという玩具を使って…



「待ってよ、灯!」




聞かないと解っていながらも灯に言葉をかけ、急いでカートを移動させようとしたその時だった…




どうして…?
どうして神様はあたしにあのヒトを出逢わせたんだろう?



ねぇ、神様…
答えを下さい……







「あの…」




まるで少年のような小さな声があたしの耳に届いた。
その声に振り向くと、そこには知らない人があたしを見て立っていた。





目を見た瞬間、咄嗟に心を閉ざす。
灯と竣以外の人に見られるとあの時から勝手に体が反応してしまう。




もう、どうすることもできない癖。




目の前には、キャップを被ったいかにも元気そうな少年ともう1人大人っぽい男の子が立っていた。




真ん丸とした目にあまり似合わない大人びた姿。
茶色の髪の毛にオレンジのメッシュ。
長い睫にしゅっとした高い鼻、整った顔立ち。






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