謝罪人 Kyouko スピンオフ小説
「あの店で、あなたが謝罪した何人かは、私があなたの仕事の能力を確かめるため用意した者達です」

「えっ!」
拓也が驚いた。

木村は、拓也の仕事ぶりを自分が依頼した者から報告を受けていた。

「そんな人を騙すようなことをしてテストするなんて、ひどいじゃないか!!」
拓也はムッとした表情で言った。

「失礼だとは思いましたが、私なりに、あなたのことを謝罪人として適しているか知りたかったものですから」
木村は弁解した。

「でも、あなたには謝罪人としての素質がある。だから、私はあなたに仕事をしてもらいたいと思ったんです。仕事の依頼があります。報酬は五万円です。仕事をしてみませんか?」

木村が頼むように言う。

「ご、五万円!!」
報酬の金額を聞いて、拓也は興味深く木村の前に身を乗り出した。





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