謝罪人 Kyouko スピンオフ小説
「私、そろそろ行きますね。いろいろ、ありがとうございました。じゃ、お元気で」
リカが礼をした。

「こちらこそ、力になれなくて・・・・・・でも、君のおかげで決断できたよ。礼を言うのは、むしろ自分のほうかもしれない」

「決断って・・・・・・!? 」
リカが首を傾げた。

「元気でね」
拓也は笑顔になった。
その表情は、晴れ晴れしい雰囲気があった。

「それじゃ、さようなら」
リカは、拓也に深く一礼をした。

「さようなら」
拓也も別れの言葉を言う。

拓也は、リカの後ろ姿を見送るように見つめた。
路上に落ちた銀杏の葉が、北風に飛ばされてゆく。


< 54 / 65 >

この作品をシェア

pagetop