黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】
―ガチャンッ
家を出て、あたしは通い慣れた道を歩いていた。
「南結奈ちゃ〜ん♪」
見知らぬギャル男だ。
「なに?てか誰?あたしになんか用?」
「ゆるーい感じの子かと思ったら……案外ずかずか言うねぇ〜」
「はぁ?」
「ま、イイや。あとでねん♪」
ギャル男はそれだけ行って去って行く。
「意味わかんねぇ。てかまぢ誰だし」
あたしはぼそっとひとこと言って学校へ行った。