流華の楔




「……?」



口論に混じり、何かが聞こえる。



「…足音? お二方とも静かに!」

「「あ、すまん」 」

「………」



片耳を地に添える。
足音の数からすると人数は…。



「十人以下……少数精鋭できたか」

「何でわかんだ?」

「何でもです」

「…うっわマジだ! すげーな新崎、敵さんまだあんな豆粒なのに!」



餓鬼か、と原田は思った。
けれど槍を肩にかけ遠方を見れば、確かに豆粒が近付いてくることに気付く。



「っし、全員下がれ!」






< 313 / 439 >

この作品をシェア

pagetop