年下の悪魔
衣服を正す気力もない。

恐さとショックで放心状態、でも勝手に涙は出る。

何も言わず後部座席から下り、運転席に戻った涼君の背中、明らかに怒りが滲み出てる。

ブォンッという音と共に車のエンジンをうねらせて車は空き地を後にした。


静まり返る車内。

涼君は何も言って来ない。

私も後部座席で横になったまましゃべる気力なんてなかった。

何を喋ればいい?



ほら見ろ、有頂天になったらこうなるんだよ。

元彼で懲りてたはずじゃない?

「もしかしたら嫌われてないかも…」なんて自惚れるから…。

私と涼君はセフレだよ。

私、何期待してたんだろ?



凄いスピードで車を走らせてるけど、車に揺れる私の体は何やら異変に気づいた。


涼君、どこに向かってるの?

寝込んだままで、窓から外はみえないけど体は知ってる。

家につく道順じゃない。

逆方向に向かってる。


ゆっくり顔を上げると、そこは閑静な住宅街を抜けた山道。

いや、山道なんてものじゃなく獣道みたいな場所だ。

所々にゴミが不法投棄されてる。

何ここ…?

何でこんな不気味な場所…

獣道の奥深くに車を止め運転席を下り後部座席のドアを開けた。

涼君の顔を見ると、まるで氷そのもののような表情。

恐い、恐い…

「何、ここ…?」



< 120 / 205 >

この作品をシェア

pagetop