年下の悪魔
開け放たれたドアと立ち塞がる涼君の体の隙間から見えたのは、まるで樹海並の深い木々。

夜の暗闇がいっそう不気味さを際立たせてる。

「さっさと下りろよっ!」

「やっ!いやっ!やめて!離してよっ!!」

私の手を引っ張り引きずり下ろそうとしてる。


空き地からここまでだいぶ離れてる。

猛スピード出してても結構時間かかったし。

こんな不気味なところで降ろされたくない。

歩いても帰れないし、こんなボロボロの格好で…

「お願い、やめてっ!やだぁっ!な、何でこんな事…」

「ムカつくんだよ、お前みたいな女!ボロボロんなれっ!」

「そんなに私が嫌いなのっ!?涼君っ!」

「――――――っ」


泣きじゃくる私の手を離してくれた。

後部座席のドアを乱暴に閉め、さっさと運転席に戻ってしまった。

「ひっ、ふぇっ…」




口にはしなくても涼君の背中に書いてある。

『お前なんか大嫌いだ』って。


車をUターンさせて山道を下りていく。

ここまで、嫌われてたんだ…

もしかして涼君、まだ私を…なんて、甘い期待は無残に散った。

恨まれてしかいなかったんだ。


こんな山道に置き去りにするほど、私のこと…








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