年下の悪魔
今はそんな事言ってらんないなぁ。

売店付近のソファに腰を下ろしテレビに目をやると、若い奥さんが電話で番組司会者に旦那さんの不倫相談をしてるバラエティー番組だった。

世の奥様はこーいう番組、好きだねー。

ここ、おじいちゃんやおばあちゃんばっかりだな。

…立ってよっと。

でも立ってんのも何だし…、やっぱ部屋に戻るか。


部屋に戻ろうエレベーターに向かおうとした時だった。




「こんにちわっ!」



一際大きな声…廊下に響くような声が聞こえた。

おじいちゃんやおばあちゃんはテレビに夢中だから気づいてないみたい。

声のする方を振り返ると



私の数メートル先に松葉杖をついた男性が立ってる。

今のあの人の声なのかな?

足、骨折か何かだろうか?

左足にギプス巻いてる…。



てか、何か…こっち見てる?


カツン、カツンと慣れた感じで松葉杖を付きこちらに向かって来た。


え?
もしかして、私に用?

私が呼ばれたの?


オロオロしていると、その男性は私の目の前で止まった。


「何飲んでるの?」




病室内でナンパされたのなんか初めてだ…

「ア、アップルジュースですけど…」

「ふ~ん。さっき売店で買ってたでしょ?ここの売店の冷蔵庫って冷えてないから自販機で買った方が冷たいよ」



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