年下の悪魔
車を走らせて、もうすぐ1時間。

ずっと山道を走ってるが、対向車すらいない。


山道を抜けると、田んぼや畑が見えて来て

民家がちらほら見えて来た。

何か人が住んでそうな気配がある。

うわぁ…、こんなとこに民家がある。

緑に囲まれていいところだけど、ある意味不便だろうなぁ。

何て思っていると、田んぼと小さな川が流れている脇に車を止めた。

「え?何?」


カチャッ…



エンジンの止まる音。





え…

ちょっとやだ…

何する気…?








しーんっと静まり返る車内。

外からも何も聞こえない。

風が木々を揺らす音と、虫の鳴き声と、緩やかに流れる川の水の音。

真っ暗な車内。

どうしよう…と思っていると、何やら規則正しい機械の音が聞こえた。


「やっぱ今の時期じゃ無理かな…?」





機械の音の正体は車のハザード。




「何…してるの?ハザード付けて…」

「ん…ちょっと。最近あったかいから見れるかなと思ってたんだけど」


そう言いながら、車の周りをキョロキョロ見渡している。


「何が見れるの?何か見せてくれようとした――――」


「あーっ!ゆいさん、ほらっ、あれあれ!」


涼君が私側の窓の方を指差した。

指の先を見ると、草が覆い繁る林の中に小さな光がゆらゆら動いてるのが見えた。


それは、よく目を凝らさないと見えない微弱な光。


あれは、もしかして…




「えっ?ホタル?」




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