RUN&GUN
茫然と立ち尽くす与一をじっと見つめ、一旦ぎゅっと目を瞑った藍は、我慢できなくなったというように、一気に畳を蹴った。

次の瞬間、藍の身体は、与一の腕の中に。

「よいっちゃん! 会いたかったぁ~っ」

「・・・・・・」

いつもの藍のノリに、与一は黙って、べりっと胸に貼り付く小さな身体を引き剥がす。

「大げさな。別れてからそんなに時間、経ってな・・・・・・ねぇだろ」

敬語になりそうなのをぐっと堪え、努めて冷静に言う与一に構わず、負けじと藍は、ぐいぐいと身体を押しつける。
そんな二人の後ろでは、朔太郎が一人、背後に‘がーん’という文字を背負って、立ち竦んでいた。

「ほらほら。とにかく、部屋に入れよ。おや朔太郎。まだいたのか」

さらりと言う三郎太は、朔太郎のうちひしがれた姿にも気づかず、彼の頭をわしわしと撫でて、お使いの労をねぎらってやった。

「じゃあ、お茶を頼むよ」

「あ・・・・・・はい・・・・・・」

先程までとは打って変わって、項垂れたまま、朔太郎はどんよりと廊下を歩いていった。
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